平成27年施行 改正建築士法について

書面による契約締結の義務化について

設計等の契約の原則  (新設 第22条の3の2)
契約の当事者間において、対等な立場での公正な契約締結を行い、誠実に履行しなければなりません。

書面による契約締結の義務  (新設 第22条の3の3
延べ面積が300㎡を超える建築物の新築に係る設計受託契約又は工事監理受託契約について、書面による契約締結が義務づけられました。また、増築、改築、大規模修繕、大規模模様替に該当し、当該工事の対象部分の延べ面積が300㎡を超える場合も書面による契約締結の義務の対象となります。
契約締結に際して、必要事項を記載した書面に署名又は記名押印し、相互に交付することが必要となります。必要事項を変更する場合も同様に書面の相互交付が必要です。
この義務は、業を行う建築士事務所側だけではなく、委託者となる建築主等についても対象となります。また、建築士事務所間の契約についても対象となり、工事請負契約において、設計、工事監理の内容を含み一括で契約する場合も同様です。
なお、延べ面積300㎡以下については、法律上の義務はありませんが、業の適正化の観点から書面による契約締結が望まれます。
■設計受託契約又は工事監理受託契約に係る書面に記載すべき内容
設計受託契約又は工事監理受託契約の対象となる建築物の概要
設計又は工事監理の実施の期間
設計受託契約にあっては、作成する設計図書の種類
工事監理受託契約にあっては、工事と設計図書との照合の方法及び工事監理の実施の状況に関する報告の方法
建築士事務所の名称及び所在地並びに当該建築士事務所の一級建築士事務所、二級建築士事務所又は木造建築士事務所の別
建築士事務所の開設者の氏名(当該建築士事務所の開設者が法人である場合にあっては、当該開設者の名称及びその代表者の氏名)
当該設計又は工事監理に従事することとなる建築士の氏名及びその者の一級建築士、二級建築士又は木造建築士の別並びにその者が構造設計一級建築士又は設備設計一級建築士である場合にあっては、その旨
業務に従事することとなる建築士の登録番号
業務に従事することとなる建築設備士がいる場合にあっては、その氏名
設計又は工事監理の一部を委託する場合にあっては、当該委託に係る設計又は工事監理の概要並びに受託者の氏名又は名称及び当該受託者に係る建築士事務所の名称及び所在地
その他設計又は工事監理の種類、内容及び方法に関わる事項
報酬の額及び支払の時期
契約の解除に関する事項
  • 書面への記載事項は、従来からの第24条の8に基づく書面の交付の記載事項と同様です。
  • 受託契約について書面を相互に交付した場合、第24条の8に基づき契約締結後遅滞なく行う 書面の交付を行う必要はないものとします。
  • 第24条の7に基づく重要事項説明は、従来どおり必要です。

〈参考〉契約に係る重要事項の説明と書面の交付の関係
延べ面積300㎡以下であっても、法令により定められた事項が記載された書面を相互に交付された場合は、法24条の8の規定による書面の交付が行われたとみなされます。
改正前までは、必ずしも書面による契約締結を行う必要はありませんでした(口頭等であった場合も民法上は契約として成立するケースもあります)が、改正後は、書面による契約締結を行う必要があります。
ご注意ください (無登録業務の禁止)
従来より、建築士が行う建築物の設計・工事監理の業務は、都道府県知事の登録を受けた「建築士事務所」でなければ行うことができません。そのため、都道府県知事の登録を受けていない事業者については、設計受託契約又は工事監理受託契約を締結することはできません。